地域に開かれた病院。ひとりひとりに優しい病院。朝倉病院

 

医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
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<   2011年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧
悪霊は何処にでもいる
連日暑い日が続きますが、書中にて暑中お見舞いを申し上げます。
ということで、一時の清涼に今回は夏の怪談をお送りします。

数年前の夏、都内にある老人病院の出来事です。
そこの神経内科病棟には3床の脳卒中専門病棟があり、たまたま60歳代の男性が一人入院しておりました。
その患者さんは脳梗塞でしたが、幸い病状は軽く、日常生活には問題もなくそろそろ退院かという状態でした。

ある日の夕方のことです。
その日も順調に経過し、患者さんも夕食をしっかり食べ、あとは寝るのを待つのみでしたが、検温時にナースが患者さんを見ると、どこか落ち着かない様子です。
「どうかなさいましたか?」とナースが尋ねると、「幽霊がいる」みたいな返事がかえってきました。
驚いたナースが辺りを見回しても、もちろん何もいません。
ナースも少し不気味になりましたが、いつも通りの笑顔で「何もいませんよ、大丈夫ですよ」と対応したところ、「そうですか」と安心した様子でその場は済みました。

ところが、夜が更けるにつれて、患者さんの興奮が増してきたのです。
多弁になり、訳の分からないことを言い出し、盛んに動こうとします。
困ったナースは当直医を呼びますが、会話も噛み合わず、終いには今すぐ帰るような言動のため、眠剤を服用してもらいました。
それでも患者さんはエスカレートし、ついには上半身裸になり、ベッドの周りをウロウロし始めました。
おかげで病室の入り口を閉鎖し、万が一に備えて他の当直医も呼ばれ、安定剤を静脈注射をするかという矢先のことでした。
患者さんが急に眠り始めたのです。
それが奇妙なことに、翌朝にはケロッとして、昨夜のことはまるっきり覚えてないのです。
いわゆる突然の錯乱です。
一体、原因は何だろうか?これが田舎や昔なら、狐憑きや犬神様の祟り、あるいは悪霊が憑りついた事件として扱われてもおかしくないのですが、実際に悪霊はいたのか?病棟の医療エクソシスト達は考えました。

そこで、浮上してきたのが薬です。
調べたところ、昨夜から新たな胃腸薬を服用していたことが判明しました。
その薬はどこでもよく処方される“ガスター”でしたが、何十という副作用の項目の最後の方に、一過性の錯乱という記述があったのです。
そして、その薬の服用を止めてからは、全くその症状はありません。
まさに、その薬が悪霊だったのです。

それにしても恐ろしい話、大の大人をわずか直径数ミリの薬が狂わせたのです。
その威力には脱帽せざるを得ません。
多くの人には滅多に起きる事のない錯乱という副作用が、起きる人には起きるのです。

結局、最後は眠剤という薬に助けられましたが、私達も薬がいかに危険であるかを再認識させられた、真夏の薬怪談(くすりかいだん)の一席です。

涼んで頂けたでしょうか。
えっ?却って暑くなった?何とかしろって?
そっちがもっと“薬怪談(やっかいだん)”
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by asakura_h | 2011-07-30 11:17
土佐のヒット事 スシローに行ってきた
最近流行っている外食レストランと言えば、回転寿司チェーンのスシローです。
店の前を車でよく通るのですが、4、50台は可能な駐車場はいつも満車状態です。
以前から気になっていたので、一度行ってみました。

ある水曜日の夜9時過ぎ頃、医大からの帰りにまず駐車場に入ると、こんな時間でもわずか数台空いているかというぐらいでした。
駐車スペースが空くと、すぐ他の車が入るという状況でしたので、しばらく待たされるのかと心配になりつつ、空いているスペースを見つけて駐車し、足早に店内へ入りました。

幸いなことに待っている客はいなくて、すぐに席へ案内してくれました。
さすがに100席以上のスペースもあり、しかもほぼ満席、外の駐車場と同じような状況で、カウンターに5席ぐらいの空きがあり、余裕かなと思ったらすぐにカップルで隣が埋まり、まるで家族連れやカップルの中に埋もれるような状況となりました。

目の前には、ベルトコンベア上を寿司の皿が通り過ぎていくいつもの風景に加えて、小さなパソコンの画面、その上にはお茶のコップ、手元にはガリや粉末のお茶が入った容器があります。
前を通り過ぎる寿司皿を取って食べ、積み上がった皿を勘定してくれるという単純な食事なのですが、その中にはオーダー済みもあり要注意です。

このオーダー寿司はパソコン画面に注文するのです。
画面では寿司や麺類など簡単に選択でき、注文履歴も分かり何を食べたか忘れた方にとっては最適です。
ただ問題は、オーダー寿司を取り忘れないよう常に見守りが必要かと思いきや、オーダー寿司は近づいてくると、なんと音声で教えてくれるのです。
さらに、画面にも表示されるので、余程ボケているか、目の前の寿司に夢中にならなければ大丈夫です。

そんなことを感心しながら食べたのは、大トロなど超大物を含めて9皿とうどん1杯ですが、それもなかなか美味しい。
さらに驚いたのは、頭の中で2500円くらいかなと想像しながらレジに進むと、何と1075円!!
あまりの安さにびっくりして、思わず明日の分を注文して持って帰ろうかと思ったくらいです。
こりゃあ、寿司の大バーゲンだ。
毎回見るあの混雑の光景は、まさにデパートのバーゲンに群がっている人々と同じだったんですね。

それにしても“美味しい”、パソコンを使えて遊び感覚もあって“面白い”、その上“大安売り”の“お”の三拍子にはかないません。

満員御礼という店の表示は、実はお客さんの懐を食べて満腹になったお礼でしょうか?
これからの外食は、ほとんどスシローに席巻されそうです。

米のイチローは不調ですが、日本のスシローはまさに絶好調。
そんな回転寿司は、世界中で大人気だそうですが、さすがにこの夜ばかりは、自転する地球が回転寿司のモーターに思えました。
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by asakura_h | 2011-07-23 10:44
ついに団魂(だんこん)の時代か?
団塊の世代と呼ばれるのは、ベビーブームと呼ばれて狭義には昭和22年から24年の間に生まれた、約800万人もいる数に物を言わせた世代で、団塊とは1つの大きな塊のことです。

競争が当たり前で、自分が目立つためには自己主張が大事だったこともあり、いまだに自己主張が強い方がおりますが、戦後の日本の経済成長はこの世代が牽引してきたことは間違いありません。

彼らが子供時代の昭和30年代はテレビ時代の幕開け、旺盛なテレビ需要を牽引し、“月光仮面”などのヒーロー物が流行り、やがて漫画ブームから出版需要をも牽引、“あしたのジョー”など時代を代表するヒーローを生み出します。

青春期にはいち早くエレキや車、バイクに飛びつき、その需要はJ-POPや世界一の自動車バイク産業を生み出しました。

やがて、学生時代を卒業すると“いちご白書をもう一度”よろしく就職し、すばやく企業戦士に早変わり、そしてこの世代が結婚する頃には、結婚ブームから住宅需要、家電需要などを牽引します。
さらに彼らが子供を持つ頃は、第二次ベビーブームです。
一世帯4人が標準というのもこの頃でしょうか?
そんな団塊世代による右肩上がりの経済成長は、バブル崩壊まで続きます。

ところが、この世代がいよいよ定年を迎えて、これからの高齢社会を牽引することになり、もう既にシルバー産業の時代とも言われます。
遊び慣れた彼らの世代が、いかにお金を使うか、様々な産業が触手を伸ばして動向を探っていますが、それ以上に大変なのが皆さんご存知の通り、医療介護の問題です。

この団塊(だんかい)という言葉、よく団魂(だんこん)と書き間違う方もおられますが、それが間違いではなくなります。
恐らく10年後でしょうか?
この世代が多数亡くなる、それこそまとまって”魂”になる、まさに団魂の時代が始まるのです。
ですから、葬式産業が今後注目を浴びることは間違いありません。
葬式の自由化で新規参入するベンチャー企業もあり、競争は必死かもしれません。

何しろ葬式自体の意識も変わりました。
今まではあまりにもお金がかかり過ぎたという反省から、お金をあまり使わず身内だけで済ませる簡易な葬式も増え、生前に葬式をする方も増えそうです。
新たな葬式文化が生まれるかもしれません。

これで一番焦ったのは、厚生労働省でしょう。
今まで病院数削減などと言っていましたが、将来の大量団魂時代に一体どこで看取るんだという話で、なりふり構わず、施設でも在宅でも看取りができるように進めています。

これからは、いかに亡くなるか一人一人が考え、活動する時代、新たな心の在り方を考える、魂の時代とも言えるかもしれません。
終活とはいいますが、これぞ魂活(こんかつ)!なんて言ったら失敬ですかね・・・。
でも、就活が婚活につながるように、終活も魂活につながるんでしょうね、きっと。
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by asakura_h | 2011-07-16 11:49
マルメの掟 7月号 「一言の重要性」
医者が幕末にタイムスリップするドラマ「仁」の独走かと思われたこの4月からの連続ドラマの中で、思わず人気が出た「マルモのおきて」。
子供たちと一緒に見ていたら面白かったので、結局最終回まで見てしまいました。

喋る犬の魂が、実は亡くなった子供たちの父親だったというのが良かったのですが、ドラマを見ていない方には何のことやらサッパリでしょうけど、一度視聴することをお薦めできる久々のホームドラマでした。

映画化されてうまくいけば、「寅さん」や「北の家族」みたいに家族の成長物語として、長期シリーズ化も可能かもしれませんね。
こんな予想が当たった試しはないのですが・・・。

特に印象的なのは、タイトルにある「マルモのおきて」です。
父親代わりのマルモが毎日のように、マルモの“掟”という大事なことをノートに書いて、子供に納得させるのですが、この掟が何ともいいですね。
“離れていても家族は家族”なんて、文句のつけようがない文句ですね。

ということで、当院でも作ってみました。
診療報酬が一定に丸められている“丸めの療養病床”が中心ですから、ずばり“マルメの掟”です。
さすがに毎日は大変ですから毎月ということで、“マルメの掟 7月号”はいよいよ2011年も後半戦突入の最初の月、まさに節電が叫ばれる暑い夏にぴったりの“一言の重要性”です。

大学時代に、卒業後は企業への就職を狙っていた友人のひとりが、突然教師になると言い出して、周囲をびっくりさせました。
彼は最終的に教師になったのですが、よくよく聞いてみると、私が「教師に向いているよ」と言った一言が原因だと言われました。
恐らく何気なく言った一言だと思うのですが、彼自身も薄々気がついていたことを、私にたまたま言葉にされたので、決心がついたのかもしれません。

いずれにしろ、一言の出会い、よく言う「一期一会」というのもあり得るんだなと実感しました。
これはたまたまいい方向に向いた例ですけど、反対なことも十分あり得ます。
それほど一言というのは重要な役割をするものです。

トラブルメイカーみたいなナースもいましたが、彼女は余計な一言が多く、それが患者の家族に不安や不信感を与えていました。
蜂の一刺しではないですが、まさに蜂の一言ですね。
くれぐれも一言には気をつけたいものです。

確かに、あまり一言一言に神経質になるのも危険ですが、日頃から優しい一言を心掛けるようにすれば、危険な一言は減るような気がします。
特に「ありがとう」「ご苦労さま」は忘れたくない言葉です。
そういう言葉は周りの気持ちを和ませ雰囲気も良くします。

これから暑い夏、まさに優しい一言は一陣の涼風かもしれません。
クーラーよりも効率的な清涼効果?があるかもしれませんね。
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by asakura_h | 2011-07-09 12:58