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医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
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新薬正処(しんやくせいしょ)、中風戦線異常あり
認知症の新薬に続いて、脳卒中の予防薬にも新薬が出ました。
まさに脳卒中(中風)との戦い、中風(ちゅうぶう)戦線にも新たな武器の投入のお知らせです。

その予防の対象になるのが脳塞栓症です。
脳卒中の中でも、血管が詰まることで症状を引き起こす脳梗塞の患者が増加していますが、その詰まり方にも種類が2つあります。

動脈硬化のために、血管が詰まるのが血栓症と呼ばれるものですが、今回の予防薬は、不整脈や他の動脈硬化が剥がれて流れ、そして詰まらせる脳塞栓症に効果があります。
脳塞栓症の怖いところは、比較的大きな血管が詰まる可能性が高いことです。
確かに最近は、血栓症でも大きな血管に症状が出る場合が増えていますが、脳の左半球の言語を司る部分と右手足の動きを司る部分がやられて、社会的にも終わってしまうような悲惨な例は、塞栓症の得意とするところです。

しかし、怖いのは脳ばかりではありません。
大腸に栄養を送る血管が詰まれば、腸が腐り出血する虚血性大腸炎を引き起こしますし、足の血管が詰まれば、そこから先が腐るということになりかねません。
もちろん、これらは動脈が行き渡るすべての臓器にも当てはまることです。

それだけ恐ろしい塞栓症の原因のひとつが不整脈、その中でも最近増えている絶対性不整脈という心房細動です。
これは、脈のリズムや強さが完全に不規則になってしまうものですが、血液の流れは不思議なもので、固まりやすくなるのです。
この心房細動の原因は、老化なども関係していますが、比較的大きな心臓に起きやすいことが知られています。

動物でも体の大きな動物、つまり心臓そのものが大きな動物が心房細動を生じやすいのです。
この予防には、もちろん心房細動を防ぐのが一番いいのですが、なかなか防げないことが多いのです。
その為に、血液の凝固を阻止する、つまり血液を固まりにくくすることが重要になります。

今までの長い間、ワーファリンという薬がその役割をしていましたが、納豆で効果が弱まったり、お酒で逆に強くなったり、他の薬の影響を受けやすく定期的に血液検査をして、血液のサラサラ度をチェックする必要があるなど、管理が難しい面がありました。

今回発売されるプラザキサという商品名の経口薬は、2種類の用量があり、低用量は高齢者や腎機能が悪い人などに使い、それ以外の患者には高用量を使用、定期的にチェックがいらないなど使い勝手の良いこの種の薬は久々です。

ただし、値段が高いことや長期的な結果がまだ分からないなど不明な点はありますが、それを考慮しても、まず試してみる価値がある、ずばり即戦薬(塞栓薬)です。
by asakura_h | 2011-06-08 17:57
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