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医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
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まずは地診地療
小学生の頃、円谷プロによるテレビ番組ウルトラQが大人気でした。
自然のバランスが崩れて、怪獣が出現するという内容で、怪獣ブームの火付け役になりましたが、残念ながらリアルタイムで高知では放送されませんでした。

当時高知では民放が日本テレビ系列しかなくTBS系列のウルトラQの放送は不可能だったのです。
テレビで見たのは、一年ぐらい後の再放送だと記憶しています。

今思えば、自然のアンバランスより放送局の偏在という社会のアンバランスのほうが切実だったと改めて思い返す次第です。
幸いに社会のバランスが崩れても怪獣はでてきませんが、怒りやため息がます。さしずめ妖怪や幽霊でもでたら、ウルトラオバQでしょうか?

そんな今の社会のアンバランスの一つが、本来競争が必要でないところに競争を持ち込み、競争が必要なところに全く競争がないことです。前者の例が医療介護の分野です。
ただ、全く競争が不要というわけではありません。
確かに効率化や、ある水準以上のレベルを保つことは必要ですが、それを競争に任せるのはおかしいのではないでしょうか。
競争の為の規制緩和が、ドクターの地域による偏在を生み、地域医療の崩壊が起き、特に専門医の偏りは産婦人科小児科の減少に顕著です。
これらのことは、何でも自由にさせずにきちんと国が計画性を持って指導管理すべきことです。

その一方で、農業は手厚く守られています。
最近、地産地消という言葉を耳にします。地元でとれた作物などを地元で消費することでエコになると盛んに推奨されているようですが、長い目で見てどうでしょう?
所得の低い高知県では値段を下げざるをえなくて、利益も小さくなる。
結局のところ、次第に経済規模が縮小していくような気がします。
反対に利益を見込める地産外商のほうが、競争をへてよりいい作物をつくりだすことにもつながりメリットが多いのではないでしょうか?
もちろんリスクがありますから、場合によっては農家が互いに連携し一体となって取り組むとか、いろいろ考えないといけませんが、まずは外商ありきだと思います。
その上で地産地消よりも先にやるべきことがあります。

それは安心して暮らせる地域社会の構築です。
それがあるからお金も使うようになってはじめて経済的なメリットが生まれます。
そんな地域社会の安心の基は、地域にいて、安心して診察が受けられ、治療・療養ができる、地域完結型の医療・介護の存在でしょう。

もちろん、特殊な疾患の治療に地域外の病院を利用するのは仕方がないことです。ニーズが少ないところに特殊な病院を建てるのは非効率ですから。
しかし、安心して子供も産めない、地域に住む高齢者が遠くの施設に行かなければならないというのはどう見ても変です。

地産地消より、まずは地診地療(地域で診て、地域で治療・療養する)。
それが単なる真夏の夜の夢に終わらないように祈りたいものです。
by asakura_h | 2010-11-04 16:46 | コラム
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