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医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
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<   2012年 05月 ( 3 )   > この月の画像一覧
格あるべしや?(21世紀の格戦争)
またぞろ、スペインの国債格付けが低下するとか?嫌な噂も。
何しろ去年は、アメリカの国債格付けが下がっただけで、金融市場は大騒ぎとなり、一気に円高も進行しました。
たかが格付けというなかれ、今では格付け会社によって市場を動かされる始末です。
新たな「格」の時代なのか?そう思った次第で、今回は他に気になる「格」を集めてみました。

まずは価格。
近頃よく耳にするのが、格安航空会社の参入で航空運賃の低価格競争ですが、まるで価格戦争ですね。あるいは、破格な値段を掲げての破格競争というべきか?一見いいように見えますが、高速バスの低価格競争の結果の悲惨な事故もあり、本当に安全性は大丈夫なのか心配です。特に空からは逃げられませんからね。いざという時のパラシュートも無料配布したりして。

次に規格。
ひと昔前で言えば、ビデオのVHSとベータ方式の争い、近年では、携帯電話の通信規格争いです。
日本方式対ヨーロッパ方式で、結局、日本方式が破れてガラパゴス化(世界からの孤立)の代表例のように言われていますし、確かに規格を制する者が世界を制することを痛感した話です。

以前にはスポーツの世界でもよくありました。
例えば、スキーのジャンプ競技で日本が強くなると、ヨーロッパ勢が一致団結して身長に合わせてスキーの長さが決められ、身長が低い日本人にとっては不利となり、結局、それ以降勝てなくなったとか。
日本生まれの柔道も世界基準という規格で、今では柔道着を着たレスリング状態で、以前程は勝てません。やはり、かって(勝つ手)が違うんですかね?

また、最近は電気自動車でアメリカと規格を巡り争って規格戦争のようですが、どうでしょう?
日本がややリードしているようですが、規格通し下手の日本、携帯電話の二の舞は御免ですが・・・。

そして資格。
こんな終身雇用制度の崩れた不安定な社会では、ますます重要になっています。
仕事に就くにしても、転職するにしても、資格がある方が有利ですが、特に医療系では絶対です。
何しろベッド数によって、医師・看護師など有資格者数が決められていますから、その数を満たすためには、どんなに技術面が劣っていても、協調性がなくても人数が必要なのです。
変な話、凄いスーパーマンが2、3人いるより、あまりできなくてもいいから、決められた人数がいる方がいいわけです。

その医療系の資格の中でも、医師が一番人気のようです。
法的には、全ての医療行為が医師を中心にして成り立っています。
看護師や放射線技師、検査技師なども医師の代わりという形ですから、権限もやりがいも多いでしょうが、責任も重いですけどね。

それから品格。
数年前に「国家の品格」という本がベストセラーになりましたが、それ以来ちょっとした品格ブームで、「女性の品格」とか似たような本が、品格なく出版されたこともありましたが、下手するとまるっきり”貧格”ですね。

仕事や日常生活に直結したところでは、人格や性格などは最重要です。いくら仕事ができてもねというのは四六時中耳にします。昔、沖縄返還の時、“核抜き本土並み”とかいうスローガンもありましたが、まさに、性格なんかは“「格」抜きでは本能並み”になりますからね。

そう考えれば、私達の日常は「格」あるものに振り回されがちですが、やはり「格」はあるべし、できることなら、よくあるべしです。
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by asakura_h | 2012-05-30 17:30
「龍馬の休日」活動報告
今年の高知の観光キャンペーンの「竜馬の休日」にあやかり、「竜馬の休日」活動報告です。5月12日13日の土日に、東京で医療法人協会のセミナーに参加しました。

厚労省の審議官や保健局の課長など官僚、民主党議員、大学教授など一流の講師陣からのレクチャーがあり、全国各地からの医師たちが深夜までの暑い討論に、圧倒されながらも有意義な時間を過ごすことができました。

よく医師会、看護協会などの職業団体といえば、圧力団体や利益誘導団体のイメージで護送船団の悪しき名残のようにみられがちですが、この会はそんな感じはしませんでした。それは政治団体じゃないから当たり前だと言ってしまえばそうですが・・・・・・勿論、究極には自分たちの利益を守ることにはなるのでしょうが、あくまでも自分たちが経営的に健全であることで、健全だからこそ地域の医療が維持できるという考え方の医師たちの集まりに思われました。

その講演の中で慶應義塾大学の田中先生が言われた通り、確かに医療の特徴は、その利益を直接受けてない人たちのよって保険料の形、いわば将来への担保として支払われているので、その人たちが支払ってもおかしくないと納得させることが必要で、その為には現場で提供できるサービスの質をよくするしかないわけです。

そういう意味では、このような議論の中からまた新たなサービスに繋がるアイデアが、ひょっとしたら生まれるのではないかと期待するところです。

ところで、私が印象深かったのは、病院の機能分化により却って効率が悪くなるという問題でした。会長の日野先生の話では、もともとこの機能分化の考えは、車の組立作業から生まれたということでした。

実際にその方が、生産性が向上するのは間違いないのですが、ちょっと変ですよね。
患者を例えれば故障した車の状態なわけで、それをタイヤはあの工場、ワイパーはこの工場と別々にやっていれば、非常に効率が悪くなるのは目に見えています。
もう少し別の発想から機能分化を再モデル化する必要があるかもしれません。

また最近増えている問題は、救急病院へ搬送されてくる患者で、問題行動がある認知症などの疾患への対応が困難な例がふえて困っているということですが、これも分化の弊害でしょうか?
事実、救急の内科医や外科医の認知症患者への対応は難しいかもしれませんが、専門医がいないと診れないというのであれば、なんとも心もとない話です。

専門ほどでないにしろ、それに準ずる知識や対応力を身に着ける努力も必要だと思いますが、特に精神科医は、それ以外の領域を診たがらないし、一般内科医や外科医も精神科の患者に及び腰ですからね。いざとなればITを駆使して24時間体制で専門医の意見を聞けるシステムを作るしかないですか?保険会社の保険のような、医者の医者というわけじゃないですけど。ただ普段から私たちが機能分化になれすぎて、私たち医師自身が心の中に、機能分化というバリアを張っているのだと要注意かもしれませんね。

それにしても、医師ばかりの問題でなく、ナースなどの専門スタッフ育成も必要ですから、課題は多いですが、先立つものはなんと言っても“医師(意思)の疎通”ですね。
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by asakura_h | 2012-05-19 12:30
悲(ひ)に油?
ゴールデンウィークも終わり、早々に日常が戻ってきたこの頃ですが、さすがに初夏の雰囲気がしてきました。

巷では、小夏という甘美なミカンが出ています。
これがまた美味しいんだな。
輪切りにして食べるのが定番なんですが、丸ごとかじるのも爽快です。

さて、最近、交通事故など嫌なニュースを聞きますが、それで思い出すのは、友人の医師と先日飲んだ時のことです。

前日に京都で起きた、通学児童の列に居眠り運転の車が突っ込み、数名の死傷者を出したというニュースが話題になりました。
警察が被害者の連絡先を、加害者のほうに教えていたことが問題になっていたからです。
被害者家族の前で、署長さんがひたすら謝罪する姿がありましたが、家族の怒りは相当に爆発していました。
そりゃ、悲しみで混乱している最中に、連絡先を知るはずのない被害者から突然に連絡があればビックリするでしょう。
何しろ相手は顔の見えない加害者なのですから。

さらに、それは警察が教えたというので憤ったのも無理ないことかもしれませんが、友人はこの怒りに少し違和感を覚えたようです。
つまり、あれほどの怒りを警察にぶつける必要があるのかということです。

確かに、法律的には個人情報を漏らしてはいけないことでしょうが、警察もサボっていたわけではなく、中には善意で漏らしたかもしれない。
だから、相手への敬意もなく、ただ感情をむき出しにして怒ることはないのではないか?

きっと彼は、警察のように社会の秩序を守るため懸命に働き、それが故に権威を持つ者に対して、一般人ももっと尊敬を持つべきだろうという思いがあったのだと思います。
そんな警察を衆目の前で、こき下ろすように感情を垂れ流すべきなのか?
そこには怒りにも節度が必要ではないかということだと思いますが、これが今の学校の教師でも医師でも弁護士でも、プロの仕事人に対しての尊敬が失われつつある現実と同じ違和感だったのかなと思います。

マスコミもそういう権威が崩れるのをワイドショー的に煽る面もあれば、プロとしての倫理観の低下もあると思いますが、それにしても今回のあの署長さんの対応はお粗末でした。
まるで部下の報告通りに喋るだけ、何とかその場をしのげればというオーラが輝いていました。
それが家族の悲しい心情を必要以上に刺激し、あんな怒りを誘発したのではないでしょうか?

やはり警察も凛として対応すべきだったのでは?
間違いのない組織なんてないでしょう。
それでも威厳を持ち、誠実な対応は重要です。

思うにこれは警察の危機対応能力のなさが問題ではないのか?
本来は危機対応のプロである警察がこんなのでは・・・。

「ノブレス・オブリージュ」、尊敬をうる立場の者は責任があります。
逃げていれば尊敬も失う、とすれば今回は警察ではなく軽率ですね。
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by asakura_h | 2012-05-12 12:30