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医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
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飽薬の時代
昔、薬といえば今以上に抵抗感があったような気がします。
昭和40年代、確か黄色く丸い形のハイシーというお菓子があって、食べると他のお菓子と一線を画する甘酸っぱい味がしましたが、形が薬に似ていたので沢山食べるのには幾分躊躇した記憶があります。

ところが、今や薬は巷にあふれています。
街のドラッグストアに入ってみれば、薬が山のように積まれていることに特別な違和感はないし、TVCMも薬の宣伝のオンパレードです。
そのせいか、薬に対する抵抗感がかなり少なくなったのだろうか、薬にまつわる事件が最近多いような気がします。時はまさに飽薬の時代なのでしょう。

大学生や主婦などにも薬物を使用している者がいるといいます。中には大麻栽培までしている輩もいるということですから、大麻も一般園芸作物と同じ感覚なのでしょうね。使用禁止すると闇の世界に隠れてしまい、却って危険になるとの発想で大麻を合法化している国もあるようですが・・・。

最近ニュースで話題の芸能人による薬物使用事件などはその際たる例でしょうが、覚せい剤は最も怖い薬のひとつです。
幻覚がひどくなると、身体中を虫が這っていると感じて火をつけたり、他人が自分を殺そうとしていると思い込み突然殺人事件を起こすこともあります。
よく精神病患者が殺人を犯すという悪いイメージをもたれているが、その多くは覚せい剤がらみです。
以前、「覚せい剤をやめますか?それとも人間をやめますか?」という標語がありましたが、使用者にしてみると「人間をやめます」の方がはるかに選択しやすいほど、おかしくなるのです。

また、普段何気なく使用している薬剤にも言えることですが、インフルエンザなどで安易に解熱剤を使用することで、子供に脳炎発症を誘発する危険性があります。
また、つい最近亡くなられた中川元大臣も、睡眠導入剤とアルコールの相乗効果が原因ではないかと言われるくらい、薬とアルコールの組み合わせには注意が必要です。

そういえば身内の話ですが、高齢の母が降圧剤を一錠多く飲んだために、友人とお茶をしている時に突然血圧が下がり意識を失うということがありました。早めに対処できたため大事に至らなかったのですか、わずか一錠でその何倍もの薬の影響力にはただ驚くしかありません。

事ほど左様に薬というのは、すごい効果と害が表裏一体をなす場合があります。
本来は安易に使用されるべきものではないはずだが、つい安易使われるのも時代の流れなのでしょうか、いつの間にか誰も彼もがその怖さを忘れているのが怖いことです。

さらに、安易になっている例として、薬でお腹がいっぱいになるほど薬を飲まなければならない高齢者もいたり、各種の栄養剤を別個に効率よく摂収できる、流行りのサプリメントを利用している人が増えているようです。そして、ストレスのせいか不眠症の人も多くて睡眠剤を常時飲んでいる人も結構います。

こうなると、将来は食事も薬、やる気も薬、眠るのも薬になるかもしれませんね。
果ては、愛情や信頼、知能までも薬で買えるようになるのかもしれません。そう考えると何と味気ない世界でしょうか。いや、恐怖かもしれません。
これから薬との関係を今一度じっくり見直す時がきているのかもしれません。

薬(やく)は厄にもなれば、役にもなる。
すべては使う側の意識の問題です。
私たちは薬を試しているように見えて、ある意味では薬に試されているのです。
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by asakura_h | 2009-12-11 17:58 | コラム