地域に開かれた病院。ひとりひとりに優しい病院。朝倉病院

 

医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
by asakura_h
プロフィールを見る
画像一覧
検索
最新の記事
以前の記事
カテゴリ
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
トップページ >> 理事長の医ごっそうコラム
asakura01.exblog.jp
トップ
    
<   2009年 04月 ( 1 )   > この月の画像一覧
すべてが値段?
新年が明けて、はや数ヶ月が経とうとしています。
今年は丑年なので、モウ少しゆったりとした感じになるかと思えば、さにあらず、時間という急行列車はますますスピードアップし、まるで時間にギュウじられているように感じるこの頃です。

そういう昨年は子年でしたが、流行の漢字一文字で表すとすれば、まさに「値」の年だと思いました。
年初は石油価格の上昇に右往左往させられ、年末は株価の暴落、円高の進行、石油価格の下落に驚かされました。
おかげで毎朝、株価や円相場に関心を示す人が増えたのではないでしょうか?

しかし、値段といって気になったのはそればかりではありません。
不況の嵐で派遣労働者が首を切られる事態が起きています。
企菜の業績悪化が原因のようです。
確かに業績が下がれば、人件費の削減に目が向くのも止むを得ないのかもしれませんが、昔(高度成長期)の日本企業はなんだかんだ言われながらも、二年続いて赤字にならない限り、従業員の解雇はしないという暗黙の了解のようなものがあって、雇用を守ることを重要視していたそうです。
だから業績の悪いときは丸抱え状態で我慢をして、経済状態がよくなってくると、そんな人たちが活躍して会社の業績を伸ばしたのでしょう。
いわゆる労働者は人的資源だったのですか、今やそれはただのコストという値段になっています。

もちろん労働者ばかりではありません。
生活の最も基本的な衣食住の「食」もそうです。
安全という最も大事な部分をそぎ落として、安い値段にひきつけられ、海外から安全ではない「食」が入ってくる。
おかげで国内の農家は衰退し自給率は低下するばかりです。
また、金融界はサブプライム問題で大騒ぎです。
こちらは同じ値段でも未だに値段がつかないことで大変です。

そういえば、医療も「値段」ですね。
採算の合わない救急医療や周産期医療がどんどん切り捨てられている。
急変した妊婦さんが、たらい回しにされ亡くなられたニュースも記憶に新しいと思います。
しかし、命と引き換えに医療までもかと思うと、これからは、すべてのものが値段になるのではないか、値段で判断されるのではないかと心配になってしまいます。

確かに値段は便利です。
物のある程度の評価の基準にもなります。
事故で損害が生じた場合でも、その責任を有限にとどめることなどもできます。
ただ、困ったことは本来なら値段にできないものまで、値段という一面だけで判断されている気がします。

例えば、社員の成績も一種の社員の値段と言えるかもしれませんが、以前、ある会社の一部署の業績を上げる為に、成績の悪い社員がリストラされました。
ところがその結果、職場はギクシャクして却って業績が悪化したそうです。
どうやらリストラされた社員が職場のムードメイカーであったり、人間関係の緩衝役にもなっていたようです。
さらに「食」などはその地域の産業や文化とも密接な関係があり、決して値段など一面的な見方で切り拾てられるものではありません。

とすれば、これからはもっと思いを巡らし、多面的なものの見方が必要なのではないでしょうか?
例えば、どんな人にも過去があり、現在の家族や友人関係、職場関係などの人間のつながりがあります。
一人の人をとってもその背景にはいろんな事情を抱え込んでいる。
そう思えばその人に共感も覚え、その思いが最後には思いやりに通じるのかもしれません。

今年は、この思いやりがある年、有思(うし)年になればいいなあと思っています。
[PR]
by asakura_h | 2009-04-11 17:52 | コラム