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医ごっそうのコラム茶や!


医療法人 仁泉会「朝倉病院」理事長の医ごっそうコラムです。
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別の国になるのかな?
東日本大震災はまだ全貌が見えません。
原発事故も予断を許さない状態が続いています。まさに言葉を失う毎日です。

政府や東京電力には、今回の対応について批判が出されています。
同時に励ましの言葉も、様々なメディアを通じて盛んに飛び交っていますが、個人的にはどんな言葉も今の状況には無力のような気がします。
被災者が今、最も欲しいのは実際の物資や援助の手でしょうし、頑張らないといけないことも助け合うことも、負けないということも十分に分かっているでしょうから、何故か美しい言葉が虚しく響きます。
もちろん心無い言葉は問題外ですが・・・。
ただし、身内や親しい方からの言葉は有難いでしょうね、繋がっている人からの言葉は・・・。

この地震をきっかけに日本が変わるんじゃないかと思ったりします。
変わるのは私たちの心の地形、いわば意識です。
なぜなら、この地震災害からの復興には何十兆円という単位のお金が必要ですし、今年の電力不足は補えるのか?国内の3分の1を占める原子力発電を今後どうするのか?やめるならどうやって供給をするのか?など、財政面も含めた様々な課題が降りかかってきます。
ライフスタイルの変更も必要かもしれません。

隣の韓国は、1997年のIMF管理下におかれるという経済危機から国が一変したそうです。
それまでの日本のような互いに支え合う社会から競争社会に変貌しました。
受験戦争の厳しさはまさに教育ではなく“競育”そのものです。
何しろ一流大学じゃないと、一流会社には正職員としての就職は困難です。
その一流会社も国際競争に勝つために、国内予選を防ぐ意味で少数ですから。
その結果、少数の勝ち組の下に多くの負け組がいるという社会構造が作られました。
今後、日本がどう変わるか予見できませんが、危惧するのは高齢者医療に対してです。

例えば、フランスもここ10年でがらりと意識が変わったそうです。
カトリックの国ですから、手厚く高齢者を看ることが当たり前で、食事摂取が困難な高齢患者に、胃ろうという皮膚を通して胃に穴を開け、そこからチューブで栄養を補給する方法が盛んに行われていましたが、今では摂取可能な患者に限られているようです。
つまり、食べられなくなったらもう人生は終わりというわけです。

こういう考え方は、誰が原因というわけではありません。
医療費の高騰もあり、患者やその家族の意識が変わったことや、医師もあまり胃ろうを奨めなくなったこともあるでしょう。
ただ、これが財政危機に煽られた、弱者切り捨ての一端だとすれば嫌だと思います。
あの小泉改革以上の“キリステ教”の復活は御免です。

そしてこの震災で改めて認識したのは、衣食住に医介護を加えた“医衣食住”は命のインフラだということです。
あって当たり前のものの重要性に気付かされるこの頃です。
by asakura_h | 2011-03-23 15:02
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